2021/09/18

How To Build a Patina Volkswagen #03



オリジナルペイントの1958年製タイプ1、スウェーデンモデルです。
(こちらはお客様の車両で販売用ではありません)



60年以上前のオリジナルペイントなので、
飛び石によるダメージや小傷などが見られますが、
全体的には非常に良い状態を保っています。

むしろこの年代でここまでキレイなオリジナルペイントの車両って、
なかなか見ることは出来ないと思います。


そんなオリジナル度の高い車両ですが、
過去に色々あった様で、よ~く見ると、
フロントフェンダー上にウインカーが後付けされています。
('58年のスウェーデンモデルは基本的にセマフォーのみ)


今回は、
「これを外し、穴を埋め、極力オリジナルペイントを残してペイントしてほしい」
・・・というご依頼です。

オリジナルペイントではない車両なら、
こういう場合は基本、フェンダーを一枚丸ごとペイントしてしまうのですが、
それだとせっかくのオリジナルペイントが失われてしまうので、
今回は特別に出来るだけ狭い範囲でペイントしていきます。
もちろん、経年によりボカシ際が出てきてしまう等のリスクはありますが、
そのあたりはご理解頂き作業を進めさせていただきました。


まずはウインカーを外します。


そして、穴を埋める為、同じ厚みの鉄板を切り出します。
鉄板は平面では無くフェンダーのRに合わせるように叩いて面を合わせています。


熱の影響を最小限に抑える為、溶接ではなくハンダ付けします。
※通常のハンダよりも強度のあるものを使います。


そして表面をサンディングし、面を整え・・・


・・・ペイントしていきます。



今回はPatinaと言うにはキレイ過ぎる車両ですが、
塗りたてのキレイな車両とはやはり違い、経年によるヤレはあるので、
最後に磨いて少し味付けをしていきます。。。

そして完成!!


違和感なく、仕上がったのではないでしょうか(^^)/

























 

2021/09/14

'59 Karmann Ghia コンバーチブルトップの張り替え #08

 

・・・全て完成いたしました!!


ブラックのボディにブラックの幌、
そしてトップ・モールが付くことにより、
非常に引き締まりますね!



ちなみに角テール時代には、
ブラックのボディの場合、幌の色はブラックかライトグレイが選べた様です。
また幌前端に付くモールは'59年1月頃には無くなっている様です。



ヘッドライナーはお客様のご希望でクロスでは無くバイナルで。
以前にレストアしたルームミラー・サンバイザーとも相まって非常にクリーンです。


新車当時、コンバーチブルの内装は、
クーペと同じくクロス・レザーのコンビネーションか、
この車両の様なレザーのみか、どちらかが選べました。
(※今回は幌を開いたときに被せるトップ・ブーツは取り付けませんでした。)





なかなかハードな作業なので、いつでも!
・・・というワケにはいきませんが、
是非お問い合わせくださいm(__)m







2021/09/13

'59 Karmann Ghia コンバーチブルトップの張り替え #07

 

最後の仕上げです。


まず、トップ・モールを取り付けます。


こちらも省略されていることの多いパーツですね。
オリジナル同様の真鍮製+クロームメッキ仕上げの物が入手できるので、
それを使用していきます。

取り付けにはこんな専用工具を使います。
以前の作業時にマニュアルを見て作りました。

幌の形状に合わせ曲げてから、

・・・取り付けます。
仕上がったばかりの幌に穴を開けるので、
非常に緊張する作業です。



続いて車内側の仕上げ。

リアウインドウ周辺のヘッドライナー生地です。
先に張り替えていたヘッドライナー生地と、
車内の狭いスペースで縫い合わせなければいけません。
新車当時は誰がどうやって作業していたのか不思議な部分です。

こんな感じで完成です。
(まだ梱包時の折り目、シワが取れていません)

あとはフロント側のワインダーカバーです。

形状を微調整してから生地を貼り、

取り付けます。

後はシールラバーを付けたり、
ウインドウガラス、幌のヒンジカバー等を取り付けたり。。。

仕上げに、新車時にワインダーハンドル部分に取り付けられていたという
ラベルを再現してみました。











2021/09/12

'59 Karmann Ghia コンバーチブルトップの張り替え #06

 トップカバーを取り付けていく前に一つやることが。。。


リアボディボウにトップ生地の切れ端を貼り付け、


ボディとのすき間にコーキングを打っておきます。

幌後端から後ろ側のボディラインがビートルに比べて水平に近いカルマンギアは、
雨水が侵入しやすい為、こうしておくとより安心です。


そしてようやく、トップカバーの取り付け!

こちらが今回使用するWCCR製のトップカバーです。

リアウインドウ部分の車内側には予めヘッドライナー生地が縫い付けられています。
(安価なトップカバーではこれが省略されていて、
車内から見るとそこだけトップカバーの裏側が見えてしまっています。)

生地を被せていきます。

タッカーやネジ等、場所に合わせて使い分けながら順番に固定していきます。



張り終わりました。


写真でタッカーが見えている部分に最後にモールを取り付けます。。。














'59 Karmann Ghia コンバーチブルトップの張り替え #05


パディングです。

このパディングがあるのがワーゲン等ドイツ車の幌の特徴ですよね。

(その代わり作業の手間は増えますが。。。(^^;))


本来はホースヘアと言われる材料(名前の通り馬の毛の様な物)が使われていますが、
入手が容易なスポンジで代用します。

生地を貼り、

スポンジを貼り、


形状を微調整しながら。。。
この後に被せるトップカバーの”縫い目”部分の逃げを作ったりして、


最後に生地を被せ縫い合わせます。

これでパディングが完成です。


ここまでの作業で手を抜いてしまうと、
この後のトップカバーを取り付ける際にいくら頑張ってもキレイには仕上がりません。